人気ブログランキング |

10年くらい前から考えていた北岳登山が、ツアー参加でやっと実現。天気予報は行程3日間のうち、1日目と2日目が風雨。前日、登山口の広河原に向かうバスの窓は雨に濡れていた。そして宿泊の広河原山荘に着いた時は、一段と雨足が強くなっていた。気持ちが挫けるねぇと、同行の友人達と話していたけれど、彼女達はそうではなかったのだと、後で気が付いた(笑)2人とも一言の弱音も吐かず、しっかりとした足取りで最後まで歩き終えた。

c0168986_09060437.jpg
暗い空と雨は憂鬱だったけれど
乗り換えのバスを待っていた北沢峠では
クリンソウの群落に見惚れて、気分はやゝ上向きになれた。


7月19日
天候不良のため登山道のコンディションが悪く、当初の予定のコース、大樺沢〜八本歯のコル〜北岳山荘は回避、白根御池〜草すべり〜肩の小屋2連泊に変更された。
6時頃、小雨の中を出発。30分程度は、トレーニングで慣れた皿ヶ嶺程度の坂を登り、そして急坂の連続。高度1500mほどを登るので、ゆっくりのペースが有り難かった。ハクサンチドリ、ゴゼンタチバナ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマキンバイ、シナノキンバイ、ハクサンイチゲなどのお花に癒される。
c0168986_09061298.jpg
ハクサンイチゲ



濃いガスの中、この日の目的地、肩の小屋に午後1時頃到着。
c0168986_09061841.jpg
登って来た方向を小屋の前から振り返ると
ガスで周囲の山も見えない

暴風雨の中を歩く覚悟だったけれど、小雨程度の雨で済んでラッキーだった。

7月20日
今回の登山のクライマックス、どんな1日になるだろう。天気は回復傾向の予報。
c0168986_09062478.jpg
山小屋のすぐ近くに、キタダケソウが咲いていた。
花の季節は終わっていて、見られるのはたぶん、ここだけです
と、小屋のご主人。

北岳を目指して午前6時に出発。
稜線なので風が強く雨も昨日より強く感じる。岩だらけの急坂を1時間ほど登ると、一気に視界が広がり、3193mの北岳登頂!
c0168986_09064185.jpg



c0168986_09063080.jpg
ブーケのようなイワベンケイ



c0168986_09063557.jpg
ハクサンイチゲ
向こうにトラバース道がガスに霞んで
薄っすらと見える



c0168986_09064873.jpg
富士山が見えて来た!

いつからなのか、雨は小降りになっていた。ガスが切れて富士山の端正な影が濃くなって来た。ここで下山しても良いくらい達成感があったのだけれど、まだ今日の行程のほんの始まり。2時間足らず下って、北岳山荘で休憩。
間ノ岳方向は暗い雲とガスに覆われ、風が強い。縦走路はほぼ岩陵地帯で、眼下には所々に高山のお花の群落が広がる。歩く岩の間にも、とても可憐なお花が見られた。チョウノスケソウ、オヤマノエンドウ、タカネシオガマ、タカネツメクサ、キバナシャクナゲ、イブキジャコウソウ、ミヤマオダマキ、ハハコヨモギ、タカネグンナイフウロ。
行動中はレインウェアの内に汗をかくことはなく、寒くもない。一時、顔に砂利をぶつけられているみたいだったのは、霰だったのだろうか。
先の深いガスの中にぼんやり浮かぶ黒い影は、間ノ岳のピークだろうか?と期待すると、まだ先だとのこと。進むことに嫌気がさすほどの天候でも、一歩一歩進んでいれば、目的地に着く。北岳山荘を出発して約2時間後、3189m間ノ岳登頂!
風雨は続き、立ち止まると冷えて来るので、記念撮影と軽く行動食を食べて引き返す。
c0168986_09065473.jpg


雨は小止みになっていたのか、振り返ると間ノ岳がくっきり見えていた。
行きより少しだけ短い時間、2時間足らずで、北岳山荘に着いた。
やっと雨が止み、休憩の時に少しだけ食べたお弁当の残りを、ここで完食。友人がコーヒーを分けてくれて一息ついたところで、目の前の北岳を再び越えなければならない。
14時過ぎ出発。約1時間半後の15時40分頃、今日2度目の北岳頂上に着く。小屋到着時間が予定より大幅に遅れそうなので、休憩もそこそこに肩の小屋へと降り始める。
濡れた岩陵地帯を滑らないよう降るのは、神経を使う。脚にも疲労がきているのか、踏ん張りが利きにくくなっていた。16時30分頃、小屋へ到着。10時間半の山行だった。この日は土曜日とあって、前日と違って小さな小屋は登山客で一杯だった。
c0168986_09070111.jpg
日が暮れて
小屋の前から見える夜景は甲府市だろうか?
その右手に富士山が濃紺のグラデーションとなって佇む。

一時は挫けそうになった山行を無事終えた、長い1日だった。
夕食を終えて、湿気のこもった2組の寝具に、友人達と3人で早々に横たわる。

7月21日
朝、出発の準備をして外に出る。まだ雲に覆われているけれど、東の空はうっすらと橙色が混ざる

c0168986_09070833.jpg
雲海の上に
富士山が鎮座する北岳肩からの眺め。


山小屋では2泊ともあまり眠れなかったが、いつもの事なので気にならないし、体調に影響も感じられない。隣で寝ていた友人も静かだったけれど、眠れなかったらしい。私は眠れない時は、時々、深く呼吸をしながら、ひたすら静かに身体を休めることにしている。ネットで目にした記事では、高山で眠れないのは、眠ると呼吸が浅くなるので、空気の薄さからの防御だという。
5時45分下山を始める。小太郎尾根分岐〜右俣〜大樺沢のコースで、1500mの高度差を降る。脚に疲労があり、以前傷めたことがある膝が再発しないよう、かばいながら慎重に降りて行く。このコースでも沢山のお花に癒されて、ここではミヤマハナシノブが見られた。
水量の多い沢沿いの樹林帯はみずみずしく、ゆっくり見上げながら歩きたいところだけど、足元に気を付けることで精一杯だった。11時頃、広河原に無事到着。
c0168986_08134390.png
3日間の歩行軌跡

山行中はこの行程を無事早く終わらせたくて、先へ先へと意識が向いていたけれど、終ってみれば、様々な感動や頑張れた余韻が残り、一緒に歩いた友人達と「たのしかったね〜」と言い合える嬉しさがあった。
かなり体力を使ったので、山への気持ちが満たされ過ぎて、しばらくは山へ行かなくても良いと思っていた。が、2週間も過ぎると、しんどかった記憶は薄れ、感動ばかりが思い出されて、また登りたくなった。テレビでは北岳を登る番組が放送され、フェイスブックでは、知人が北岳肩の小屋から画像を投稿していた。
また登りたくなってしまう。



by mhal1106 | 2019-08-05 23:52 |